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月別アーカイブ: 2025年11月

カド建のよもやま話~“最前線”~

皆さんこんにちは! カド建株式会社、更新担当の中西です。

 

 

屋根は“最前線”。 紫外線・熱・風雨の直撃、加えて朝露→急乾燥のサイクル。外壁より苛酷です。だからこそ、下地の見極めと排水(縁切り)、棟板金の固定、防錆+高耐候の4点セットで挑みます。

 

1. 屋根材別の前提
スレート(カラーベスト):縁切りが命。反り・割れは補修。下塗は浸透シーラー+場合により遮熱下塗。
金属(立平・瓦棒・折板):白錆/赤錆・端部・ボルト穴・重なりを重点。エポキシ防錆/ジンクリッチで切断面を守る。
セメント瓦:塗装可。素地強化→専用下塗→上塗。
陶器瓦:基本塗装しない(割れ補修・漆喰・雨仕舞が中心)。

 

2. 現況診断
藻/苔:洗浄+薬剤で根を断つ。残ると上塗の密着低下。
割れ・欠け:専用パテ/シールで補修→面出し。
棟板金:釘抜け・ビス浮き・継手のシール切れ。貫板(木下地)の腐朽は交換が原則。
金属折板:ボルト周りの錆・シール劣化。シーリングワッシャの状態確認。

 

3. 洗浄〜下地の作り方
高圧洗浄:圧10〜15MPa/距離を守り、下から上→上から下でムラを防ぐ。割れスレートは近接噴射NG。
乾燥:屋根は朝露が戻る。午前中は乾燥待ちが基本。含水は剥離・白化の元。
下塗:スレートは浸透シーラーで吸い込みを止める。痛みが強い場合は2回下塗で素地再生。

 

4. スレート“縁切り”の全て
目的:重なり部の毛細管逆流を断ち、滞水・凍害を防ぐ。
方法:
タスペーサー:規定枚数を縦横ピッチで差し込み。塗膜で再閉塞しない。
カッター縁切り:既存閉塞を手切り→タスペ併用が安心。
失敗例:縁切りなし→雨水が上走りし、室内漏水や凍害剥離。最重要チェック項目。

 

5. 棟板金の固定と止水
釘→ビス化:ステンレスビス+シーリングで引き抜き抵抗UP。
貫板:腐朽は樹脂製や防腐木へ交換。板金下の通気と止水を意識。
継手:重ね代+シール。**一次止水(板金)**を先に整える。

 

6. 金属屋根の要点 
白錆(亜鉛):洗浄→メッキ対応プライマー。
赤錆:素地露出まで戻しエポキシ防錆→上塗。
折板ボルト:ボルトキャップやシーリングワッシャで再錆を抑制。ストライプ塗り必須。
立平ハゼ:重なり部の毛細管→端部厚付け+水切りで対処。

 

7. 遮熱の期待値と相乗効果 
反射率/SRIが高いほど表面温は下がるが、小屋裏断熱/換気が整っていてこそ室内体感に反映される。
濃色でも近赤外反射顔料で差を縮小可能。低汚染と組み合わせて性能維持。

 

8. 気象・露点・時間帯の戦術 
朝露:露点差≥3℃までは待つ。無理塗りは白化/艶引けを招く。
強風:飛散・肌荒れ。希釈/道具/ネットで制御。
降雨予報:インターバルを逆算し、途中で止められる位置まで作業する。

 

9. 施工フロー(標準)
洗浄→乾燥→下地補修(割れ・ビス)
下塗(1〜2回)→乾燥
縁切り(タスペ/手切り)
中塗→上塗(必要なら遮熱)
棟板金のビス化+継手止水
仕上げ点検(縁切り再確認・端部タッチアップ)

 

10. ありがちトラブル&回避
塗装で雨漏りが止まる誤解:ルーフィング破断には塗装は無力。防水/板金工事と連携。
ムラ:下地の吸い込み差→下塗回数と希釈で均す。
ブリスター:含水・塩分→乾燥・洗浄をやり直す。

 

11. 検査と記録
縁切り状態を近接写真で残す。
棟板金ビスのピッチ・本数、タスペ枚数を記録。
WFT/DFT・温湿度を日報化。

 

 

 

 

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