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月別アーカイブ: 2025年4月

カド建のよもやま話~カラー~

さて今回は

~カラー~

ということで、今回は、住宅や建物の印象を決定づける「色(カラー)」について、塗装業における人気の色とその理由、効果、選ばれる背景を深く掘り下げてご紹介します。

 

外壁や屋根の色は、単なる見た目だけではなく、気候への対応、汚れへの強さ、心理的な影響まで与える重要な要素。塗装業界では、時代やライフスタイルの変化に応じて、“選ばれる色”が進化しています。


住宅や建物の塗装において、「色」は単なる見た目だけでなく、建物の印象、快適性、資産価値を左右する非常に重要な要素です。塗装業において、カラー選定は技術力と同じくらい大切なプロセスとなっています。

近年は住宅のデザイン性が高まる中で、外壁や屋根に使用される色にも明確な傾向と理由があり、人気のあるカラーにはそれぞれ特徴と意味が存在します。塗装業における人気カラーとその特性を、心理的、機能的、そしてデザイン的な視点から深く解説します。


なぜ色選びが重要なのか

建物にとって色とは「第一印象を決定づける要素」であり、同時に居住者に与える心理的影響も大きいです。また、外壁や屋根の塗料は、紫外線・雨風・熱・排気ガスといった外的環境から建物を守る「皮膚」のような役割も担っており、色によって耐候性や遮熱性にも差が出ることがあります。

機能性、耐久性、デザイン性、地域性、周囲との調和といった多くの視点から色を選定する必要があるため、塗装業者にはカラーコーディネートの知識と経験が求められます。


人気カラーとその特徴

1. ベージュ・アイボリー系

柔らかく、あたたかみがあり、誰にでも好まれやすいベーシックカラー。近隣の住宅と調和しやすく、飽きがこないため長年支持されています。

特徴:

  • 太陽光を反射しやすく、遮熱性が高い

  • 経年による色あせや汚れが目立ちにくい

  • 安定感・安心感のある印象を与える

多くの住宅街で違和感なくなじむため、特にファミリー層の戸建て住宅においては定番の選択肢となっています。


2. グレー・ライトグレー系

モダンで落ち着いた印象を持つ色合い。近年、都市部のデザイナーズ住宅や新築マンションでも多く採用されており、トレンドカラーとして注目を集めています。

特徴:

  • 汚れや雨だれが目立ちにくい

  • 他の色との組み合わせがしやすく、ツートーンにも適している

  • クールでスタイリッシュな外観を演出できる

グレーは、シンプルながら個性を出しやすく、外壁以外にも門扉やフェンスとの相性も良好です。


3. ブラウン・モカ系

自然素材や木造建築との相性が良く、和モダンやナチュラルスタイルの住宅で人気の高い色です。

特徴:

  • 温かみと落ち着きのある印象

  • 土や木と同系色で、自然環境との調和が取れる

  • 経年劣化による色の変化が緩やかで美観を維持しやすい

屋根がダークブラウン、外壁がモカやベージュという組み合わせは非常に人気があります。


4. ネイビー・ダークブルー系

個性を演出しつつも落ち着いた雰囲気を保てる色として、特に若年層の住宅購入者の間で人気が高まっています。

特徴:

  • 重厚感と知的さを感じさせるカラー

  • 白やグレーとのコントラストが美しく映える

  • 汚れに強く、長期間美観を維持できる

デザイン性を重視する施主には、ネイビーとウッド調のアクセントとの組み合わせが好まれています。


5. ブラック・チャコールグレー系

力強く、モダンで高級感を感じさせる印象がある色。近年では外観に重厚感を求める人からの支持が高まっています。

特徴:

  • 存在感があり、他の色との組み合わせでアクセントになる

  • 熱を吸収しやすいため遮熱塗料との併用が推奨される

  • 汚れや雨筋が目立ちやすいため、塗膜性能に注意が必要

スタイリッシュさを演出できる反面、日差しが強い地域では温度上昇に注意が必要です。


色選びの際の注意点

人気カラーでも、環境や住宅のデザインによっては合わないこともあります。色選びで後悔しないためには、以下のような点に注意しましょう。

  1. サンプルは屋外光の下で確認する  日中と夜間、室内と屋外では色の見え方が大きく異なります。

  2. 近隣住宅との調和を意識する  自宅だけが極端に目立ってしまうと、周囲との違和感が生まれる可能性があります。

  3. 塗料の耐候性・遮熱性も考慮する  色だけでなく、機能性や耐久性も長期的な視点で選ぶ必要があります。

  4. 色の組み合わせに配慮する  屋根・外壁・サッシ・玄関ドアとのトータルコーディネートを意識しましょう。


おわりに

住宅の塗装は、およそ10年から15年に一度の大切な機会です。だからこそ、色選びは単に「好きな色」ではなく、**その家に住む人の暮らしや街並みとの調和、長期間にわたるメンテナンス性を見据えた“未来を描く選択”**であるべきです。

塗装業者としては、こうした色の持つ意味や影響を理解し、施主にとって最適な一色を提案できるような知識と経験が求められます。

美しさと機能性を兼ね備えた塗装こそが、本当の意味での“住宅価値の向上”につながるのです。

お問い合わせはこちら↓

カド建株式会社 

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カド建のよもやま話~色彩ガイドライン~

皆さんこんにちは!

カド建株式会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~色彩ガイドライン~

ということで、

今回は、塗装業において重要な役割を果たす「色彩ガイドライン」について深く掘り下げてご紹介します。

建物の外壁や屋根に使われる色は、その建物だけの問題ではありません。町の景観、文化、そして暮らす人々の感覚にまで影響を与えるものなのです。

そうした公共性と調和性を重視するために、多くの自治体や地域団体では「色彩ガイドライン」が設けられています。これは、美しいまち並みを守り、持続可能な景観をつくるためのルールと知恵なのです。


色彩ガイドラインとは?

色彩ガイドラインとは、建物の外装(外壁・屋根など)に使用する色やデザインに関して、地域ごとの景観調和や美観保護を目的として定められた指針・基準です。

制定主体:

  • 都道府県や市町村(例:京都市、鎌倉市、金沢市など)

  • 再開発地域や住宅団地の管理組合

  • 景観重点地区や歴史的建造物周辺の特別区域

法的拘束力がある「条例」に基づくものもあれば、推奨ベースの「指針」「設計ガイドライン」形式のものもあります。


ガイドラインが重視される背景

なぜ色にルールが必要なのか?

  1. 景観の統一性を保つ

    • 無秩序な色使いが広がると、落ち着きのない街並みや違和感のある建物が増加

    • 統一感のある色彩設計は、住む人にも訪れる人にも安心感を与える

  2. 歴史的・文化的景観の保全

    • 神社仏閣、古民家、城郭などの周辺では、伝統的な色合いや素材との調和が重視

    • 明るすぎる色、金属調・蛍光色などは景観破壊と見なされることも

  3. 観光資源や不動産価値の保護

    • 観光地では「写真映え」「落ち着いた雰囲気」が大きな資産

    • 景観が美しい地域は、不動産価値の維持・上昇にもつながる


ガイドラインで定められる内容の一例

項目 内容
色相 周囲と調和する自然色(ベージュ、ブラウン、グレーなど)推奨
彩度 派手な原色・高彩度色は禁止または制限
明度 白すぎる・黒すぎる色は避けるよう指導される場合あり
光沢 ツヤありは禁止、マット仕上げを推奨
屋根材・外壁材の素材感 地元の伝統素材(瓦、漆喰、木材風)との調和重視
看板・装飾 店舗などでは外装にあわせた控えめな配色が求められる

実例:地域ごとのガイドライン

  • 京都市:「屋根は伝統色に限る」「外壁は落ち着いた中間色で」

  • 鎌倉市:神社仏閣周辺での色調・明度制限あり

  • 金沢市:「ひがし茶屋街」などの歴史的景観保全区域では色彩審査が必要

  • 東京・武蔵野市:再開発地区での景観計画協議が義務化

地域の“らしさ”を大切にするため、自由な色選びではなく、文化的対話が求められます。


塗装業者としての対応と責任

施工前に確認すべきこと:

  1. その地域に色彩ガイドラインがあるか

  2. 申請・届出が必要か(景観条例に基づく協議)

  3. 既存の建物とのバランスを考慮しているか

  4. 施主にガイドラインの存在を説明しているか

塗装業者は、ただ“色を塗る”のではなく、**地域と調和した「街の設計者の一部」**としての意識が求められます。


ガイドラインと住民・施主のすれ違い

よくあるギャップ:

  • 「もっと目立つ色にしたい」「個性的なデザインにしたい」という希望

  • しかし、地域のルールで彩度や色相が制限される

  • 一部地域では「外壁を塗るたびに申請が必要」と知らずトラブルに

このような場面では、事前にガイドラインを説明し、納得の上で色選びをサポートすることが大切です。


今後の課題と展望

ガイドラインの標準化とわかりやすさ

  • 地域ごとに基準が異なるため、専門家以外には理解しにくい

  • カラーチャートやデジタルツールによる「色選びの見える化」が必要

デザインと景観の共存

  • 一律に「目立たない色」を推奨するだけでは、個性や創造性を奪うリスク

  • 地域の景観と現代のデザイン感覚を対話的に調整できる枠組みが求められている


おわりに──「塗ること」は、街と文化をつなぐこと

色彩ガイドラインは、「美観の押し付け」ではありません。それは、地域の記憶と未来を守るための“色の言葉”です。

 あなたが選ぶ色が、

その街の空気や景観を、10年後も支えているかもしれない。

塗装業におけるカラー選定は、技術とセンス、そして地域との調和が試される仕事です。美しく、そして意味のある一色を、プロとしてご提案していきましょう。

お問い合わせはこちら↓

カド建株式会社 

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