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日別アーカイブ: 2025年5月19日

カド建のよもやま話~塗料調合~

皆さんこんにちは! カド建株式会社、更新担当の中西です。

イベント盛り沢山なこの季節、いかがお過ごしでしょうか?

 

さて今回は

~塗料調合~

ということで、塗料調合の目的、方法、注意点を実務者目線で深く解説します。

 

塗装工事の品質を左右する要素のひとつに「塗料の調合」があります。調合とは、現場で求められる色・質感・性能を実現するために、塗料を適切な割合で混ぜ合わせる工程のことです。


1. 塗料調合とは?

塗料調合は、主に以下のような目的で行われます:

  • 色の再現・調整:既存建物やお客様の希望色に合わせるため

  • 性能の発揮:下塗り・中塗り・上塗りの役割に合わせた粘度・希釈調整

  • 天候や素材への適応:気温・湿度・基材に応じた乾燥時間・塗布性の調整


2. 調合に使われる主な要素

■ 主材(ベースペイント)

  • 顔料・樹脂・添加剤を含む基本塗料

  • 色と機能の中心

■ 希釈剤(シンナー・水)

  • 塗料の粘度を調整

  • 油性・水性で種類が異なる

■ 硬化剤(2液型塗料に必要)

  • 主剤と反応して硬化を促す

  • 正確な比率での混合が不可欠

■ 着色剤(調色用)

  • 基本色に微調整を加えるため使用

  • 数滴単位で印象が変わるため高度な技術が必要


3. 調合の流れと実践ポイント

① 色番号やサンプルに基づく選定

  • 日本塗料工業会(JIS規格)の色見本帳を基に基本色を選ぶ

  • 色合わせは塗装面の光の反射や周囲環境も考慮

② 比率に従った計量と混合

  • 電子はかりやメスシリンダーで厳密に計量

  • 硬化剤・シンナーは指定の割合(例:主材:硬化剤:希釈剤=4:1:1)で調合

③ 濾過と熟成

  • 不純物を取り除くために濾し器で濾過

  • 調合後10〜30分放置し、分子のなじみを待つ熟成時間を取る

④ 試し塗りと微調整

  • 実際の下地に試し塗りして色ブレや塗布性を確認

  • 必要に応じて微量の調整剤で再調合


4. 調合ミスが招くリスク

  • 硬化不良による塗膜の剥がれ

  • 色ムラ・仕上がりの差異

  • 再塗装・クレーム対応によるコスト増

精度の低い調合は、工期遅延や信用低下につながるため致命的です。


5. 現場で求められるスキル

  • 経験による色感覚(視覚判断)

  • 塗料の化学的特性への理解

  • 季節や気候による粘度調整の応用力

  • お客様の要望を反映させる対応力


6. デジタル調色の活用

  • 自動調色機(カラーシミュレーター)の導入により、色ブレを軽減

  • 専用アプリやカメラで色を解析し、近似調合レシピを自動生成

  • データベース化による色番号管理・再注文対応も可能


塗料の調合は、単なる“色を作る”作業ではありません。
それは建物の美観・耐久性・顧客満足度を支える、職人の感性と技術の融合です。
現場での高品質な塗装を実現するためにも、調合技術の習得と継承がますます重要になります。

 

 

 

 

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